マンションの断熱等級とは?戸建てとの違いと、断熱リノベーションでできること

「中古マンションを買うなら、断熱等級も確認したほうがいい?」
「戸建てなら断熱リフォームができるのに、マンションはできないって本当?」
「そもそもマンションの断熱等級は、戸建てと何が違うの?」
中古マンションを購入してリノベーションしたいと考えると、断熱性能について気になる方も多いのではないでしょうか。
断熱等性能等級は、住宅の断熱性能を表す基準です。現在は等級1〜7まであり、数字が大きいほど高い断熱性能を示します。
ただし、マンションの断熱について考えるとき、戸建てと同じように「断熱等級が何級か」だけを見ていても、住まいの実態は見えてきません。
その理由は、マンションが一戸建てとは違い、一つの住戸だけで建物が完結していないからです。
隣にも上下にも別の住戸があり、外壁や窓、床・天井の躯体など、個人の判断だけでは変更できない部分があります。
つまり、マンションの断熱を考えるときに大切なのは、「何等級のマンションなのか」だけではなく、「その住戸はどこが外気に接していて、どこまで手を入れられるのか」という視点です。
この記事では、マンションの断熱等級について基本を押さえたうえで、戸建てとマンションで「できること」が違う制度上の理由や、中古マンションを購入してリノベーションするときに確認しておきたいポイントを解説します。
マンションの断熱等級とは?
まず、マンションの断熱等級について簡単に整理しておきましょう。
断熱等性能等級は、住宅の外壁や窓など「外皮」を通して熱がどれくらい逃げやすいか、また日射がどれくらい入りやすいかといった性能を評価する制度です。
現在の断熱等性能等級は1〜7まであり、等級7が最高等級です。
等級5、6、7は2022年に新設され、現在では戸建てだけでなく、共同住宅であるマンションも等級6・7まで評価の対象になっています。
ここで覚えておきたいのは、「マンションだから高い等級を取得できない」というわけではないということです。
実際に、マンションでも等級6や7を取得した事例があります。
また、2025年4月からは原則としてすべての新築住宅で省エネ基準への適合が義務化されました。つまり、これから建てられるマンションについても、断熱性能を含む省エネ性能が一定水準以上であることが求められています。
では、戸建てとマンションでは何が違うのでしょうか。
そのポイントは、断熱等級の「評価基準」そのものよりも、建物のつくりと所有の仕組みにあるのです。
戸建てとマンションで断熱の「できること」が違う理由
マンションと戸建ての断熱を考えるとき、まず知っておきたいのが「外皮」という考え方です。
外皮とは、簡単にいえば、室内と外気との境界になる部分のことで、戸建てなら、外壁・屋根・床・窓などが外皮になります。
一方、マンションでは、住戸の周囲すべてが外気に接しているわけではありません。
たとえば中間階の中住戸なら、上下左右が別の住戸に囲まれていることがあります。
その場合、外気に直接接するのは主に外壁や窓などで、上下左右の隣接住戸とは、基本的に室温の近い空間が接しています。
この違いが、マンションの断熱を考えるうえでとても重要なポイントです。
マンションは「一つの家」ではなく「一つの建物」
戸建て住宅なら、自分の家の外壁をどうするか、屋根にどんな断熱を施すか、窓をどんな仕様にするかを、基本的にはその家の所有者が考えます。
もちろん、構造や法律、予算などによる制約はあります。
それでも、家全体を一つの住まいとして断熱計画を考えられるのが戸建ての特徴です。
一方、マンションでは、建物そのものを複数の区分所有者で共有しています。
自分が購入したのは「部屋」ですが、建物全体には自分だけの判断で変更できない部分があります。
たとえば、マンション標準管理規約では、窓枠や窓ガラスは専有部分には含まれないものとされています。
バルコニーや玄関扉なども、専用使用できても共用部分として扱われるケースがあります。
つまり、「自分の部屋の窓だから、自分のお金で新しい窓に交換しよう」とは、戸建てと同じようにはいかないのです。
マンションごとの管理規約によって細かなルールは異なりますが、窓や外壁、躯体などは建物全体に関わる部分として扱われるため、個人が自由に変更できないことが多くなっています。
これが、マンションと戸建てで断熱リノベーションの「できること」が違う大きな理由です。
マンションの断熱性能は、等級だけでなく、窓や外壁との接し方、住戸の位置なども含めて考える必要があります。
購入前に確認しておきたいポイントを、まとめて整理しておきましょう。
資料無料ダウンロード&無料セミナー
中古マンション購入前のチェックリスト80

【 資料内容 】
- 中古マンション選びで重要な11の項目別に紹介
中古マンションの見極め方セミナー

【 セミナー内容 】
- 築35年の中古マンションを買っても大丈夫?
- 家の買いどき、外せないタイミングとは?
- 不動産会社の良し悪しが一発でわかる「ある行動」
- あなただけの掘出し物件が見つかる魔法のシート
マンションの断熱等級は「戸建てより低い」ということではない
ここまでの説明で、「つまり、マンションの断熱等級は戸建てより低いということ?」と思った方もいるかもしれません。
ここは、マンションの断熱を考えるときに誤解しやすいところです。
「マンションは戸建てより断熱等級が低い」
「マンションでは等級6や7にできない」
というのは間違いと言っても差し支えないでしょう。
2022年の制度改正によって、共同住宅でも断熱等性能等級6・7が適用されるようになりました。
しかも、等級6・7の断熱性能については、戸建てと共同住宅で同じ水準が適用されています。
ではなぜ「マンションは断熱しにくい」という話が出てくるのでしょうか。
それは、断熱性能を高めるために手を加えられる範囲が違うからです。
戸建てなら外壁や屋根、窓そのものを含めて断熱計画を考えやすい、でもマンションでは、外壁や窓、躯体などに個人が勝手に手を入れることはできないという違いを、「性能の違い」と「工事の自由度の違い」に分けて考えることが大切です。
マンションの断熱を考えるなら、「等級を上げられるか」だけを見るのではなく、「その住戸で、どの部分に対策できるのか」を見ていく必要があります。
マンションの断熱で特に注意したい「窓」
マンションの断熱を考えるとき、避けて通れないのが窓です。
窓は外気に直接接するため、室内の温熱環境に大きく影響します。
冬に窓際だけひんやりする。
暖房をつけても窓の近くが寒い。
夏になると窓から強い日差しが入ってくる。
結露が気になる。
こうした悩みがある場合、窓が原因の一つになっていることがあります。
ところがマンションでは、窓やサッシは一般的に共用部分として扱われるため、戸建てのように自由に交換できません。
「古いアルミサッシを樹脂サッシにしたい」「単板ガラスを複層ガラスに交換したい」と思っても、管理規約上、個人ではできないケースが一般的です。
ここに、マンションの断熱リノベーションならではの難しさがあります。
じゃあ、マンションでは窓の断熱ができないの?
では、マンションでは窓からの断熱はできないのかといえば、もちろんそんなことはありません。
マンションでよく採用されるのが、内窓です。
これは既存の窓の内側にもう一つ窓を設けることで、外側の窓そのものを交換せずに断熱性を高める方法です。
こうすることで外窓と内窓の間に空気層ができるため、外気の影響を受けにくくなります。
また、内窓は断熱だけでなく、防音や結露対策にも役立つ場合があります。
つまりマンションでは、「外の窓を変える」のではなく、「室内側にもう一つ窓をつくる」という発想で自分が理想とする断熱に近づけることが出来るのです。
断熱に限らずマンションのリノベーションでは「できないこと」を嘆くより、制約の中で別の方法を探すことが重要になります。
実際にゼロリノベが施工した実例の中でも、二重窓を採用したものは多くあります。
以下に3例ご紹介しますね。
ゼロリノベのリノベーション施工事例
レトロな物件に設備と温熱環境、利便性を向上させ、部屋の中に入ったときのギャップが楽しい住まいを計画。2重サッシと床暖房で暖かい暮らしを叶えました。
※費用は引き渡し当時の金額です
ゼロリノベのリノベーション施工事例
家族で過ごす時間が豊かになるような、リビングのレイアウトを計画。二重サッシを取り付け、遮音性と空調管理を高め、プチストレスを払拭しました。また、リビング内にロフトをつくり、室内に高低差が生まれることで、空間の有効活用はもちろん、階段のある軽やかな遊び場を演出しています。
※費用は引き渡し当時の金額です
ゼロリノベのリノベーション施工事例
リビングと繋がるワークスペースは将来子ども部屋としても使えるように計画。音楽が趣味のご夫婦は防音室と2000枚以上あるCDを飾れる収納棚をリクエスト。二重窓を採用したことでさらに防音性と断熱性がアップし、気兼ねなく音楽のある暮らしを楽しめるようになりました。
※費用は引き渡し当時の金額です
外壁や屋根を自由に断熱できないのも、マンションならでは
戸建ての断熱リフォームでは、外壁や屋根も重要なポイントになります。
たとえば、外壁の内側に断熱材を入れたり、屋根や天井に断熱材を追加したりする方法があります。
ところがマンションの場合、建物の外壁や屋根は住戸一つの所有物ではありません。
そのため、区分所有者が「この部屋だけ外壁を断熱しよう」と自由に工事することはできません。
国土交通省のマンション標準管理規約でも、躯体や壁、床スラブなどは共用部分として扱われています。
これは断熱に限った話ではなく、マンションでは建物の安全性や外観、他の住戸への影響を考える必要があるため、建物全体に関わる部分について個人の自由な工事が制限されているのです。
だからこそ、マンションのリノベーションでは「どこまで壊せるか」だけでなく、「どこまで性能を高められるか」を最初から見ておくことが大切です。
資料無料ダウンロード&無料セミナー
中古マンション購入前のチェックリスト80

【 資料内容 】
- 中古マンション選びで重要な11の項目別に紹介
中古マンションの見極め方セミナー

【 セミナー内容 】
- 築35年の中古マンションを買っても大丈夫?
- 家の買いどき、外せないタイミングとは?
- 不動産会社の良し悪しが一発でわかる「ある行動」
- あなただけの掘出し物件が見つかる魔法のシート
それでもマンションの中でできる断熱対策はある
ここまで読むと、「マンションはできないことばかりなのでは?」と思うかもしれません。
でも、実際にはそうではなく、専有部分の内側ではさまざまな方法があります。
代表的なのが、
・内窓を設置する
・外気に接する壁に断熱施工を行う
・天井や床に断熱材を入れる
・玄関まわりの断熱を検討する
・室内の間取りを工夫する
・断熱と空調計画を合わせて考える
といった方法です。
もちろん、すべてのマンションで同じ施工ができるわけではありません。
建物の構造や階数、外壁との接し方、既存の断熱仕様、管理規約などによって、できることは変わります。
だからこそ、マンションの断熱では「断熱材を何mm入れるか」から考えるのではなく、その住戸がどんな環境に置かれているのかを先に見ることが大切です。
同じマンションでも、住戸の位置によって断熱の条件は変わる
マンションの面白いところは、同じ建物の中でも住戸によって条件が違うことです。
たとえば、以下の4つのパターンで見てみましょう。
①中住戸
上下左右を他の住戸に囲まれている中住戸は、外気に接する面が比較的少なくなります。
そのため角部屋などと比べて外気の影響を受けにくい場合があります。
ただし、窓の大きさや方角、築年数などによって体感は変わります。
②角部屋
角部屋は外壁に接する面が増えるため、中住戸とは条件が変わります。
窓が多く、開放感や採光に恵まれる一方で、外気に接する面が増えることで、断熱について検討したい場所も増えます。
③最上階
最上階では、上階に住戸がありません。
そのため、屋上側からの熱の影響を受けます。
夏の暑さが気になる場合には、最上階ならではの条件を確認したいところです。
④1階
1階は下に住戸がないため、床下側の条件が中間階とは異なります。
床の冷えが気になるケースもあるため、床下の構造や断熱仕様を確認しておくと安心です。
このように、「マンションだから暖かい」「マンションだから寒い」と一括りにはできません。
同じマンションでも、住戸の位置によって断熱の条件は変わる。
これは中古マンションを選ぶときに、ぜひ覚えておきたい視点です。
中古マンションでは「断熱等級が分からない」こともある
新築マンションなら、住宅性能評価書などから断熱性能を確認できる場合があります。
一方、中古マンションでは、現在の断熱等性能等級が明確に分からないケースも少なくありません。
特に築年数が古いマンションでは、現在の制度ができる前に建てられていることもあります。
ですが、「断熱等級が書いていない=断熱性能が低い」と判断するのも早計です。
建築された年代、構造、住戸の位置、窓の仕様、外壁との接し方など、いくつかの情報から住まいの状態を見ていく必要があります。
中古マンションを購入してリノベーションするなら、ここはむしろ大切なポイントです。
「今の性能が何級なのか」だけではなく、「今の状態から、どこまで改善できるのか」を見ることができるからです。
中古マンションの断熱は「等級」だけで選ばない
中古マンションを探していると、「断熱等級6の物件がいい」「等級5以上じゃないとダメ」というように、数字を条件にしたくなるかもしれません。
もちろん、性能を確認することは大切です。
ただ、マンションの場合は等級だけで暮らしやすさを判断するのは難しいところがあります。
たとえば、同じ断熱性能でも、
・大きな窓があるか
・窓がどの方角を向いているか
・角部屋か中住戸か
・最上階かどうか
・日当たりはどうか
・風の影響を受けやすい場所か
・内窓などの対策ができるか
によって、住み心地は変わります。
また、リノベーションをするのであれば、間取り変更と断熱施工を一緒に考えることもできます。
だから中古マンション選びでは、「現在何級なのか」だけではなく、「この家で、どんな温熱環境をつくりたいのか」「そのために、何ができる物件なのか」まで見ておきたいところです。
断熱リノベーションでは「断熱ライン」を意識する
マンションの断熱を考えるうえで、もう一つ大切なのが「断熱ライン」です。
断熱ラインとは、簡単にいえば、室内と外部との間にある「熱をできるだけ行き来させない境界」のこと。
断熱材を一部分だけ入れれば、それで家全体が暖かくなるとは限りません。
たとえば壁だけを断熱しても、窓から大きく熱が逃げていれば、窓際の寒さは残るかもしれません。
逆に窓だけを強化しても、壁や床など別の場所から熱が逃げていれば、思ったような効果が得られないことがあります。
マンションでは特に、建物の構造上どこが外気に接しているのかを確認することが重要です。
角部屋なのか、中住戸なのか、最上階なのか、下階に住戸があるのか、外壁に接している壁はどこなのか、大きな窓はどこにあるのかなど、条件を見ながら、必要な場所に必要な対策を考えていきます。
「断熱材をたくさん入れる」ことが目的ではなく、その住戸にとって熱が逃げやすい場所を見極めることが大切なのです。
マンションの断熱で「やりすぎない」という選択もある
断熱性能を考え始めると、「できるだけ高性能にしたい」と思うのは自然なことです。
しかし、性能を高めることには当然コストがかかります。
たとえば、断熱工事のために壁や天井を大きく変更すれば、その分だけ工事費も増えていきます。
そしてマンションでは、住戸のすべての場所に同じような断熱施工が必要とは限りません。
外気に接する面が少ない中住戸と、外壁や窓が多い角部屋では、対策したい場所も違います。
だからこそ、「最高等級にするにはいくらかかるか」だけではなく、「自分たちが困っていることを解決するには、どこまで必要か」という考え方も大切です。
冬の朝の寒さがつらいなら、まず開口部を重点的に考える。
結露が悩みなら、窓まわりを見直す。
エアコンが効きにくいなら、断熱だけでなく間取りや空調計画も含めて考える。
家全体を完璧にすることよりも、暮らしの中で困っていることを一つずつ解決していく。
そんな断熱との付き合い方もあるのです。
断熱性能を高めることは大切ですが、住まいにかけられる予算には限りがあります。
断熱だけに予算を集中させるのではなく、暮らしに必要なところへどう配分するかも考えてみましょう。
性能も暮らしも大切にした「安心予算」を考えたい方へ
「余白ある住まいの買い方・つくり方」では、安心予算の考え方や、経済性のある中古選びなど、住まいづくりで知っておきたい6つのポイントをご紹介しています。
申し込んだその日に読める無料のデジタルブックで、誰とも話さずご自身のペースで読めます。
ゼロリノベが考える、マンションの断熱
ゼロリノベでは、断熱について「とにかく高い性能を目指す」という考え方をしているわけではありません。
その物件ごとの特徴に合わせて快適に暮らすための断熱対策を行っています。
これは、マンションの断熱を考えるうえで、とても大切な考え方だと私たちは思うのです。
たとえば同じ築30年のマンションでも、住戸の位置や窓の数、外壁との接し方、間取りによって条件は違います。
だから、築年数だけを見て「寒そう」と決めることもできません。
反対に、築浅だから大丈夫、とも言い切れません。
大切なのは、その物件がどんな状態にあり、どこに手を入れることで、どんな暮らしを実現できるのかを見ることです。
ゼロリノベの事例にも、先ほどご紹介したもののほかに、築30年の中古マンションに対して、外部に接する壁や天井・床への断熱施工に加え、既存のアルミサッシに内窓を追加し、断熱性を高めた住まいがあります。
また、二重窓によって断熱性と防音性を高め、音楽のある暮らしを楽しめるようにした事例もあります。
ここで面白いのは、「断熱のためだけの工事」になっていないことではないでしょうか。
ゼロリノベでの事例を通して見ると、断熱はその家でどんな時間を過ごしたいかを支えるための一つの手段になっているのです。
家の性能を上げることが目的なのではなく、その性能によって、暮らしがどう変わるのかを見る。
マンションのリノベーションでは、そんな視点が大切なのではないでしょうか。
断熱等級より先に、中古マンションで確認したいこと
では、実際に中古マンションを購入するときには、何を確認すればよいのでしょうか。
断熱等級だけを見て終わらせないために、次のような順番で考えてみるのがおすすめです。
1.その住戸はどこが外気に接している?
まずは住戸の位置を確認します。
中住戸なのか、角部屋なのか、最上階なのか、1階なのか、外壁に接している面はどこなのか。
これだけでも、断熱を考えるときの条件がかなり変わります。
2.窓はどのくらいある?
窓の大きさや数、方角も確認したいポイントです。
大きな窓は開放感や採光をもたらしてくれる一方、外気の影響を受ける面も増えます。
「大きな窓があるから悪い」ということではありません。
その窓をどう活かし、必要ならどう断熱するかまで考えればよいのです。
3.窓まわりにどんな対策ができる?
既存の窓やサッシは交換できないことが多いため、内窓を設置できるかなどを確認します。
ただし、これもマンションによって規約や仕様が異なります。
購入前に確認しておくと安心です。
4.壁・床・天井にはどんな施工ができる?
外気に接する壁や最上階の天井、1階住戸の床など、断熱を検討したい場所は住戸によって変わります。
間取り変更と同時に施工できるかどうかも、リノベーション計画の中で確認しておきましょう。
5.その工事にどこまで予算を使いたい?
最後に忘れたくないのが予算です。
断熱性能を高めるために予算を使えば、その分、キッチンや収納、床材など別の部分に使える予算は変わります。
だからこそ、「断熱は最高レベルにする」と最初から決めるのではなく、「自分たちは何を大切にしたいのか」を整理したうえで、性能にかける予算を決めていくことが大切です。
マンションの断熱についてのよくある質問
- マンションでも断熱等性能等級6・7を取得できますか?
-
マンションなどの共同住宅でも、断熱等性能等級6・7が設定されています。
マンションだから高い断熱等級を取得できない、というわけではありません。
- マンションは戸建てより断熱性能が低いのでしょうか?
-
マンションは上下左右にほかの住戸があるため、外気に接する面が戸建てとは異なります。
そのため、単純に「戸建てのほうが断熱性が高い」とは判断できません。
実際の住み心地は、住戸の位置や窓、外壁などの条件も含めて確認することが大切です。
- マンションの窓は交換できないのでしょうか?
-
窓やサッシは共用部分として扱われることが多く、戸建てのように住戸の所有者が自由に変更できるとは限りません。
一方で、管理規約や管理組合の承認などの条件を満たせば、断熱性能を高めるための工事が可能な場合もあります。
内窓の設置など、専有部分でできる方法も含めて検討するとよいでしょう。
- 中古マンションの断熱性能はどうやって確認できますか?
-
まずは、住宅性能評価書などで断熱等性能等級が確認できるかを調べてみましょう。
ただし、古いマンションでは等級が表示されていないケースもあります。
その場合は、築年数だけで判断せず、窓の仕様や住戸の位置、外気に接する壁・床・天井の状態などを確認することが大切です。
マンションの断熱は、住戸の条件に合わせて考える
今回は、マンションの断熱について、断熱等性能等級の基本から、戸建てとの違い、マンションならではの断熱の考え方まで解説しました。
マンションでも戸建てと同じ断熱等性能等級6・7まで設定されており、決して「マンションだから断熱性能が低い」というわけではありません。
一方で、窓や外壁など共用部分に関わる部分があるため、戸建てと同じように自由に断熱リノベーションできるわけではないこともポイントです。
そのため、中古マンションを選ぶときは、断熱等級の数字だけを見るのではなく、中住戸か角部屋か、最上階か、窓の仕様はどうなっているかなど、その住戸がどのような環境にあるのかまで確認することが大切です。
また、内窓の設置や断熱施工など、マンションでもできる対策があります。
大切なのは「どこまで断熱性能を高めるか」を一律に決めるのではなく、予算や暮らし方とのバランスを考えること。
「何等級のマンションを選ぶか」だけではなく、「その家でどんな毎日を過ごしたいか」。
そこから考えていけば、自分たちに必要な断熱性能や、住まいにかけたい予算も見えてきます。
断熱性能もまた、家を選ぶための目的ではなく、これからの暮らしを心地よくするための一つの手段として考えてみてはいかがでしょうか。


